JR片道乗車券を上手に使う方法（有効期間を知ろう）
切符のうんちく第3弾
JRの乗車券には
・片道乗車券
・往復乗車券
・連続乗車券、とありますが
今回は誰もがいつも普通に買っている
JRの片道乗車券を上手に利用して
お得に旅行をするお話です。
片道乗車券のルール
それにはまず、JR片道乗車券のルール（特性）を
知っておかなければなりません。
こう言うのもJRは積極的に宣伝しませんので
知らないと損をしてしまいます。
JRの各種乗車券には有効期間があるのをご存知でしょうか？
鉄ヲタや旅行業者の方以外は知らないと思います。
「切符の乗車券なんて買った日だけでしょ？」
そう思っている方がほとんどだと思います。
実際は下記のとおりです。
100kmまでもしくは大都市近郊区間内
のみの利用は発売当日のみですが
200kmまで 2日間
400kmまで 3日間
600kmまで 4日間
800kmまで 5日間
1000kmまで 6日間
以降、200kmごとに1日加算
大都市近郊区間とは
首都圏・関西圏・福岡・新潟・仙台に設定されている
範囲内の駅で、これは説明がややこしいので
今回は割愛します。
これだけでは意味が分かりませんよね。
JRのホームページにもこれくらいの事しか
書いていません。
これでは、だから何なの？ってなります。
片道乗車券にはさらにルールがあって
・同じ経路を2度通らない事
・後戻りをしなければ途中下車ができる
・乗車中に有効期間を経過した場合は
途中下車をしない限り券面に表示された最終駅まで有効
何のことなのかさっぱり…
と、ならないように説明します。
片道乗車券の有効期間を上手に使う
まず、有効期間内なら後戻りしない限り
途中下車できる事によるメリットは何か？
それはこの１つにつきます！
通し運賃にすることで安くできる
東京から博多の場合（基本編）
例えば、東京から博多に旅行をします。
しかし途中、大阪も見て回りたいので
大阪で1泊、博多で1泊するとします。
このような場合、普通は
東京から新大阪までの新幹線
新大阪から博多までの新幹線の切符を買いますよね。
普通はこのような買い方をすると思います。
東京～新大阪（のぞみ指定席・乗車券）14,720円
新大阪～博多（のぞみ指定席・乗車券）15,600円
合計30,320円
しかし、東海道・山陽新幹線の東京～博多間は1174kmです。
1174kmと言うことは
乗車券に関しては7日間有効ですから
有効期間を超える事はありません。
そこで、このような買い方をします。
東海道・山陽新幹線の東京から博多までの乗車券を購入
東京から新大阪までと新大阪から博多までの
新幹線指定席特急券を乗車券と分けて購入
東京～博多（乗車券7日間有効）14,080円
東京～新大阪（のぞみ指定席）5,490円
新大阪～博多（のぞみ指定席）5,810円
合計25,380円
なんと4,940円の差額が出ました。
これが片道乗車券のルールを利用した
お得になる買い方なのです。
東京から札幌の場合（応用編）
東京から札幌へ東北・北海道新幹線と
特急北斗を使って旅行をします。
せっかくの北海道旅行ですから
函館にも2泊したいと考えます。
このような場合、普通は
東京から新函館北斗までの新幹線+函館までの乗車券
函館から札幌までの特急北斗の切符を買いますよね。
普通はこのような買い方をすると思います。
東京～新函館北斗・在来線で函館
（はやぶさ指定席・乗車券は函館まで）23,760円
函館～札幌（特急北斗指定席・乗車券）9,440円
合計33,200円
この場合、片道乗車券にできないトラップがあります。
函館観光をする場合
新函館北斗から函館まで在来線で移動します。
しかし、函館から札幌に行くときに
函館から新函館北斗を通るので後戻りする事になり
片道乗車券のルールにある
後戻りをしなければ途中下車ができる
に引っかかってしまうため
このままでは片道乗車券にできないのです。
ですが、函館～新函館北斗間は片道440円です。
往復で880円ですが、この880円のために
片道乗車券のお得を諦めますか？
諦めてはいけません！
そこで合法な技を使います。
通しの乗車券を買います。
距離は1163kmなので7日間有効です。
函館に2泊しても問題ありません。
そしてここが重要
函館から新函館北斗の往復は別に切符を買います。
どういうことかと言うと
東京から札幌までの乗車券は
新函館北斗で途中下車したことにするのです。
で、函館までの切符を別にすれば
通しの切符は同じ経路を通ったことにはなりません。
おわかりでしょうか？
図で説明するとこんな感じです。
裏技的なやり方ですが、キセル行為ではありません。
仕組み（ルール）を最大限に利用したやり方です。
こうすればどれだけお得になるのでしょうか？
東京～札幌（乗車券7日間有効）14,850円
新函館北斗～札幌（特急北斗指定席）3,170円
函館～新函館北斗（往復乗車券）880円
合計30,230円
差額2,970円お得になりました。
2,970円あれば函館の朝市でうに丼が食べられます。
ラッキーピエロで贅沢が出来ます。
しかし、これには注意点があります。
①新函館北斗駅で一度改札を出る
新函館北斗駅には新幹線と在来線の
乗り換え改札口がありますが
新函館北斗で途中下車したことにするので
乗り換え改札ではなく、通常の改札を出てから
別途購入した切符で改札を入ります。
これは、函館から新函館北斗に戻る時も同様です。
②特急北斗は新函館北斗からの乗車を推奨
これは①と同じ理由で
新函館北斗駅で通しの切符に
再入場の記録を残さないと
札幌駅での自動改札ではエラーになる可能性があります。
そのため、函館駅から北斗に乗ってしまうと
新函館北斗で改札が通れないためです。
③有人改札での説明を手間と考えるか
函館駅の改札や車内検札
札幌駅での改札で、有人改札を通り
このような切符で来ましたと説明すれば
函館から北斗に乗っても
何の問題もありませんが
新函館北斗駅でのひと手間で済むなら
いちいち有人改札で説明する事も無いですし
新函館北斗駅は小さい駅なので
改札の再入場もそんなに苦ではありません。
出来る事なら、自動改札でスマートにすることを
おススメします。
実際に旅をした行程
博多までは「キングオブ深夜バス はかた号」で
移動し、博多の夜を楽しみました。
このブログ内容の趣旨からは外れるので
博多までの話は割愛します。
博多から出雲市へ行き
通しで片道乗車券を買った場合です。
このように、同じところを2度通ったり
後戻りしなければ、こんな複雑な経路でも
片道乗車券は発券できます。
出雲で一泊
有効期間は8日間でした。
朝うどんを食べ、普通列車で移動
門司港駅で乗り換え
新山口で下車
途中下車し、長州名物かわら蕎麦を食べる
途中下車できるのも、有効期間8日間の
片道乗車券の成せる技！
出雲市駅
出雲蕎麦を食べて1泊する
出雲大社へ行く
一畑電車で運転体験をする
出雲市駅に戻る
サンライズ出雲に乗る
東京到着
ではこの行程を普通に切符を買った場合です。
博多～新山口（乗車券）2,800円
（特急券・B寝台券・乗車券）23,210円
合計33,030円
乗車券を通しで買った場合
博多～東京
B寝台券（シングル）特急券 11,000円
合計29,400円
差額は3,630円でした。
お得な切符を使わなくても
切符の仕組みを知っていれば
お得になる事を知って頂ければ
楽しい鉄道旅がますます楽しくなると思います。
